『指数関数的増加』ってどういうこと?秀吉もびっくり?|グラフと米粒でわかりやすく解説
『指数関数的増加』って
どういうこと?
気づいたときには、手がつけられない。
「感染者が指数関数的に増えている」「AIの性能が指数関数的に伸びている」——ニュースやSNSで、この言葉を一度は見たことがあると思います。
コロナ禍で一気に有名になった言葉ですが、実は高校2年生の数学Ⅱで習う、れっきとした数学用語です。
この記事では、グラフと「秀吉の米粒」のお話で、指数関数的増加のヤバさを体感してもらいます。
📈 1.指数関数ってなに?
指数関数とは、指数の部分に x(変数)が入っている関数のことです。
y=aˣ の形(a は 1 以外の正の数)で、いちばん身近なのは y=2ˣ。グラフにすると、こうなります。
そうです、数学Ⅱ(高校2年生)で学習します。グラフの形は意外とシンプル。でも大事なのは、形よりも「増え方」です。
| x | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| y=2ˣ | 2 | 4 | 8 | 16 | 32 | 1,024 |
「2倍される」。これが指数関数の正体です。
🚀 2.指数関数的増加とは?
では「指数関数的増加」とは何なのか。
いちばん基本の一次関数(比例)と比べてみましょう。下は y=3x のグラフ。小6・中1で出てくる、あの直線です。
一次関数は、x が 1 増えるごとに y が「3 ずつ足される」。増え方はずっと同じペースです。
では、指数関数 y=2ˣ と重ねてみると……
数字で並べると、差がもっとはっきりします。
| x | 1 | 2 | 3 | 5 | 10 | 20 | 30 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| y=3x | 3 | 6 | 9 | 15 | 30 | 60 | 90 |
| y=2ˣ | 2 | 4 | 8 | 32 | 1,024 | 約105万 | 約5.4億 |
x=1〜3 のあたりでは、むしろ一次関数のほうが大きい。ところが x=10 で 30 対 1,024。x=30 では 90 対 5億。もう勝負になりません。
🍚 3.秀吉を驚かせた指数関数!?
豊臣秀吉に仕えた曽呂利新左衛門(そろり しんざえもん)は、もともと刀の鞘(さや)職人。作った鞘に刀が「そろり」と収まることから、この名がついたと言われています。
ある日、秀吉から「褒美に何が欲しい?」と聞かれた新左衛門は、こう答えました。
「米粒なら大したことはない」と思った秀吉。ところが……
- 1日目1粒ここから始まる
- 10日目512粒まだ約10g。ひとつまみ程度
- 20日目約52万粒約10kg。スーパーの米袋1つ分
- 30日目約5.4億粒約11トン。米俵にして180俵分
- 100日目約6.3×10²⁹粒「63穣(じょう)」粒。日本の1年分のコメ生産量の、1000兆年分以上
※ 米1粒を約0.02g として計算。100日目の量は 2 の 99 乗。100日間の合計なら、さらにこの約2倍になります。
驚いた秀吉は、あわててほかの褒美に変えさせたそうです。
でも100日続けたら、国が傾く。これが指数関数的増加の恐ろしさです。
🌍 4.身近にある「指数関数的増加」
この「倍々」は、教科書の外にもたくさんあります。
🎓 5.高校数学で応用してみよう♪(例題あり)
最後に、数学Ⅲの「極限」の分野から例題を。(x>1 とします)
① 一見、分母の x の 1000000 乗がめちゃくちゃ大きく感じます。「分母が限りなく大きくなる → 答えは 0」と思いたくなりますよね。
でも、①の分子は xⁿ という指数関数(n が変数)。指数関数は爆発的に増えるので、n を大きくしていけば、最終的に分子のほうが圧倒的に大きくなります。
だから、①の答えは ∞。
② 今度は分母に指数関数があります。n→∞ で分母が爆発的に増えていくので、答えは 0 になります♪
指数関数 > 多項式(x の何乗)> 対数関数。この「強さの順番」を覚えておくと、極限の問題で「分子と分母、どっちが勝つか」が一瞬で見えるようになります。
❓ よくある質問
指数関数はいつ習いますか?
「ねずみ算」と同じですか?
逆に「指数関数的に減る」こともありますか?
指数関数は、理系じゃなくても役に立ちますか?
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※ この記事は2020年7月22日に公開したものを、2026年9月に全面リニューアルしました。